呼吸器内科医による側弯症のはなし
内科医の目線で側弯症に関する最新の情報を整理しました。
本ページでは、側弯症に関する情報を漫画と文章でまとめています。
患者さん自身が自分の情報を管理できるアプリも開発したので無料公開しました。
本ページの内容は、側弯症診療に携わる整形外科医の監修を受けています。
側弯症とは何でしょうか
背骨は、26個の小さい骨(椎骨)が積み合わさってできています。
それぞれ首の部分を頚椎(7個)、胸の部分を胸椎(12個)、腰の部分を腰椎(5個)、お尻の部分を仙骨、
尾骨といいます。
背骨を正面から見ると、背骨はまっすぐになっていますが、側弯症とは背骨がねじれを伴って横に曲がってしまう疾患です(図1)
原因は何ですか?
側弯症は、①姿勢や、怪我や病気に伴う痛みなどの原因で生じる「機能性側弯症」と、②それ以外の「構築性側弯症」に大別されます(図2)。
「①機能性側弯症」は、背骨の曲がり方の程度は軽く、原因を取り除くことによって側弯は消失します。
一般的に、「側弯症」というと②の「構築性側弯症」を指します。
「構築性側弯症」は、原因が特定されていない「特発性側弯症」と、他の疾患に伴う側弯症(先まれつきの側弯症、神経や筋肉の病気に伴う側弯症)に大別され、「側弯症」の80%は、「特発性側弯症」に分類されます(中でも「思春期側弯症」の事が多い)。
最近では、遺伝子に関する研究が盛んに進められてきていますが、未だ治療に直結するような原因は特定されていません。
側弯症の人はどれ位いるのですか?
100人いれば2~3人は側弯症の方がいるといわれています。
しかし、実際に治療の介入が必要な方は限られています。成人した後に職場健診などでレントゲンを撮影し、偶然指摘されるという事も少なくありません。
診断はどのようになされるのですか?
側弯症は、レントゲン検査によって診断されます。
医療機関を受診した方がよいかどうかを判断するのが、健診です(「スクリーニング検査」といいます)。
学校健診では、まず後ろ向きに気をつけの姿勢でまっすぐ立ってもらい、肩の高さ、肩甲骨(背中の出っ張りのある骨)、ウエストラインに左右差があるかどうか確認します(立位検査といいます)。
その後、まっすぐ前かがみになってもらい、背中の高さが左右対称となっているか確認します(前屈検査といいます)(図3)。
左右、非対称となっている場合には「側弯症の疑い」として、医療機関(整形外科)への受診を指示されます。